◆家紋の話 その2 「一番有名な家紋について」

家紋に興味がない、自分の家の家紋について考えたことがないと言う人でも、この家紋を知らないと言う日本人は、殆どいないと思うのが菊の御紋だ。所謂「菊花紋」である。

菊紋
(皇室の紋 花弁が16枚)

天皇や皇室を表すこの菊花紋。今回のブログの為、分かる範囲でこの紋について調べてみた。

まず驚いたのは、最も古い天皇の御紋章は菊花紋ではなく「日月紋」であったことだ。この紋に菊花紋が加わったのは平安末期。

後鳥羽上皇が菊花を特に愛され、それらを文様にして用いたのが始まりで、鎌倉中期には皇室の御紋章として認められた。

菊の家紋のモデルは日本原種の菊ではなく、中国から入ってきた大きく豪華な菊がモデルというのが有力な説だ。菊の紋はバリエーションも多く花弁の数の違いや、他の紋と融合したようなものもあった。

家紋 菊5
(花弁が12枚)

家紋 菊4
(三つ巴と融合した感じ)

皇室の紋から派生したバリエーションの多さにも驚いた。一般に使用したりアレンジを加えても良いのかと思いつつ、よく調べてみれば、明治に禁止令が出るまで菊花紋を使ってはいけないということはなかったようだ。江戸時代までは、割と自由に使われたりアレンジが加われていたと分かった。

と言うことは、菊紋を下賜された訳でもないのに、家紋が菊紋(アレンジ含む)になっているという家が、全て皇室と所縁があるという訳ではなさそうだ。

話は戻るが、皇室の本来の紋が日月紋というを知った時、なるほどなぁと思った。太陽は天照大神であり、日の出から日没までを治める。月を表す月読命(つくよみのみこと:天照大神の弟神)は日没から日の出までを治める。

日月紋とは全てを治めるという意味があるのだろう。家紋と言うのは調べ始めると面白いなぁと思います。



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◆家紋の話 その1 「そもそも家紋とは?」 

着物には様々な種類がありますが、ものによっては着物に家紋を入れる場合があります。

着物に入れる紋については、描き紋や刺繍紋などがありますが、その解説をする前に「そもそも家紋とは?」について考えてみます。

私のような着物に携わっている人間にとっては「家紋」とは馴染みがあるものですが、「着物に関心がない」と言う方の中には、「自分の家の家紋を知らない」という人も多いのではないのでしょうか?

獅子紋

そもそも家紋とは家の屋号(名字)を図柄で表したものです。

歴史を紐解けば、紋が使われ始めたのは平安後期頃。始めは貴族などが御所車などに使い始めました。

これが鎌倉初期頃(武家の時代)になると、武士が戦場で用いるようになる。この頃の紋の種類は今ほど多くなく、整備もされていなかった。

やがて時代と共に種類も増えていくが、貴族は優雅な紋を、武士は戦場でも見極めやすい簡明なものを好んだ。

江戸時代になると原型と呼ばれる紋が350種類位になる。この時、既に紋から家を直ぐに判断できるように「紋帳」という本も出始める。

そしてここからだんだんと庶民に広まっていくが、様々な形に派生(複合、分裂、部分部分での変化など)していき、現代では20000種以上発見されている。

また、家紋と言うのはその代で決められたものもあるが、御下賜(ごかし)、即ち身分の高い人物から功績を認められて頂いた紋もある。これを「下賜紋」と言う。家紋を下賜することは家を同じくすることであるから、重大な意味を持つ。

「女紋」というものもある。これは女系の紋のことで、一戸の家で言えば母方の紋という意味だ。

家紋とは、単なる文様で片づけてはいけない。その図柄は美しさやカッコよさ、ユニークであり独特な味もある。優れたデザイン性もさることながら、その膨大な数は世界的に見ても異例と言える。

そして何より「家の歴史」と結びついているのが凄い。

一つ一つ調べれば、何故そのようになったのかという理由・背景・先祖達の職業なども見えて来るのです。



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もみじ

Author:もみじ
名古屋市西区で着物屋を営んでいます。
主に着物(仕事)を通じた独り言です。

お着物のことなら何でもご相談下さいませ。

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