◆浴衣の話 ~紅梅織について~

暦の上では5月5日(立夏)が過ぎたので夏ということで、今回は浴衣についてのブログです。

浴衣のルーツを辿ると「湯帷子(ゆかたびら)」に行き着く。

 湯帷子とは、平安時代頃では貴族が入浴時に来ていた着物のこと。麻や木綿製で後に入浴後に着られるようになり「浴衣」となった。



現在では、夏の風物詩的にこの浴衣を連想する人も多いと思うが、夏祭りなどで自分も着るし、また着ている人を見ると良いなと思う。



素材で言えば、綿が多い。中には麻や綿の混合の生地もある。

浴衣は気軽なものであるが、柄や織り方によっては夏の着物感覚で着れるものもある。



柄や織りについて例を挙げ始めると切りがないので、今回は浴衣でしか見たことがない織り方、「紅梅織」について詳解します。
 紅梅織1

見た方が早いので画像を先に載せますが、織上りはこのような四角が集合したような見た目になる。

 太さの違う二種以上の糸を用いて織ることで、織上りはフラットではなく凸凹した高低差のある生地になる。



しかし、何故「紅梅」というのか?

紅梅織の反物を何反見ても、どこにも梅を連想させるものはない。



手元の資料によれば、織田信長がいた時代、山科言継(やましなときつぐ:公家の人)なる人物が残した日記の一節に、この紅梅について書かれた箇所があるそうだ。

 ただ、この日記によるところの紅梅とは、どうも織のことではなく色目を指しているようである。

 紅梅織1



ここまできて、ああ、やっぱり紅梅とは色のことかと思ったが、まだ何かモヤモヤしたので調べてみたら、どうも「紅梅織」という漢字には「勾配」や「高配」の文字もあると分かった。

 結局のところ、何時の時代に出来たのかは分からず終いだったが、推測するに先の日記に出て来る紅梅色の着物が、この織り方になっていたからでは・・・などと考えたりする。

 紅梅織が流行したのは明治2,30年代。今日では綿で出来た綿紅梅と、綿と絹で織られた絹紅梅がある。

浴衣の織にもいろいろあるが、個人的に紅梅織はあの独特のしゃり感と風合い、透けて見えることによる清涼感が良いなと思います。





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Author:もみじ
名古屋市西区で着物屋を営んでいます。
主に着物(仕事)を通じた独り言です。

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