◆唐織袋帯2

唐織と聞くと能装束を思い浮かべる人もいると思います。

能装束

能装束は、小袖物、広袖物、袴物、被り物、付属小物に分類できますが、唐織は小袖物に属します。

小袖物は唐織の他に、刷箔、白練・白綾、熨斗目、厚板、縫い箔などがあります。

それぞれ役割毎に割り当てられますが、唐織は女性の表着として老若・貴賤を問わず用いられます。最も豪華な能装束と言えます。若い女性役の時は紅色が際立つものを、年配の女性の場合は渋めの色を着ます。

唐織復元

能装束では表着として織られている唐織ですが、当店ではこの唐織を帯に復元して販売しております。

唐織袋帯①

籠目の文様に秋草・菊をあしらった文様です。

実を申せば、この画像の「籠目秋草文唐織袋帯」は随分昔に販売したもので、結婚された方の娘さんが成人式を迎えるにあたり、この帯を振袖とともに着たいとのことで、メンテナンスを兼ねて預かったものです。


親子とも大変気に入り、今まで何度もしめたとおっしゃっていました。(しわはそのため)有難いことです。


画像では伝わり難いかもですが、本歌の唐織衣装を忠実に再現したもので、色、文様、織り方など徹底的に拘った美しい帯です。今見ても全く古さを感じません。


今では再現できない袋帯と言えます。


唐織袋帯②


当店では僅かですが、現在では二度と出来ない唐帯袋帯を扱っています。


Tag:文化財復元小袖(当店の着物)  comment:0 

◆切支丹伊万里 2

今回は古美術の話です。

伝切支丹の古伊万里と云われる小鉢。

5個揃いです。

十字伊万里①

面白いのは何やら下の方から勢いよく飛び立っている十字架でしょう。
 

よーく十字架部分を見ると 嘴らしきものが見えるので鳥ともとれます。

しかし、これはあえて発覚した時に「鳥です」と説明するために、僅かに「嘴」のようなものが描かれたと思います。


この過去ブログにも一度切支丹伊万里を取り上げました。(こちらを参照)

十字架以外に着目しますと、大変不思議な文様になっています。

左右に分かれた花。

花の生えている所には穴の開いた岩。


初めて見た時は意味不明でしたが、これは以前取り上げたブログ、「切支丹伊万里」の意味が判明したおかげで理解できました。

十字伊万里④

この柄は「蟹牡丹」の変形だったのです。

穴の空いた石は「太湖石(たいこせき)」の変化した形で、蟹の体を表し、左右の花は蟹の腕を表しているのです。

蟹さん

十字架が飛び立っている様子は、蟹が海底から十字架を拾い上げたのです。

「フランシスコザビエルが帰国の際、誤って海に十字架を落とし、それを蟹が見つけて拾い上げた・・・」

この伊万里も、その話を基本に作られていたのです。

十字伊万里③

横には海老(?)の絵もありました。

この海老は切支丹の何かを指しているのか、あるいは古伊万里が真似た中国染付(青花)の中から学んだ柄かは分かりません。

海老が川海老だとしたら、中国染付由来の柄の可能性が高くなります。


十字伊万里②

高台は蛇の目高台です。中心の模様はよく分かりません。

伊万里には呉須とよばれる鉱石(青色のもと)が使われますが、かなり濃く使われていることから、それなりにお金を掛けて作られているような気もします。
 
 
意味不明と思われる柄でも、それにはそうなった意味があるのです。



おしまい。


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プロフィール

もみじ

Author:もみじ
名古屋市西区で着物屋を営んでいます。
主に着物(仕事)を通じた独り言です。

お着物のことなら何でもご相談下さいませ。

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