◆瑠須庵所縁の切支丹遺物展  十三仏の掛軸

現在、紅葉屋呉服店では、茶室「瑠須庵」所縁の切支丹遺物展を店内にて開催中です。


今月は15日にお茶会の御用命を頂きましたので、普段はマリア観音のクリスマスのお祭で飾るものですが、茶会記念ということでいくつか展示しております。


このブログではその遺物の中から一つをご紹介します。

切支丹13仏①

一番下の中央が釈迦如来、その右側が不動明王、諸菩薩や諸如来が天から来迎している画です。

このような仏画は「十三仏」と呼ばれています。

どこからどう見ても仏教の掛軸ですが、実はこれイエスキリストと十二使徒として作成されたものなのです。

この中の十三の仏の中に、イエスキリストがいらっしゃるのです。

上から見てみましょう。

切支丹13仏③

次は下部分・・・。

切支丹13仏②

お判りでしょうか?

この二分割された画像のどちらにも、イエス様はいらっしゃるのです。手に着目下さい。

切支丹13仏④

この尊像は仏教的には薬師如来です。薬師如来は病気平癒の御利益があり、その姿の特徴は手に薬壺を持つことです。

しかし、この掛軸に限り、薬壺には無い十字架が小さく描かれているのです。

次に、不可解な描写がありますので見てみましょう。

切支丹13仏⑤

十字架を手に受けるイエス(薬師如来)のすぐ下、菩薩さまがいらっしゃいますが、手に持つ花の上に何かあります。仏画では菩薩像の持物に、このようなものはありません。五輪塔にも見えますが、ちょっと形が違います。何かの建物でしょう。


これは前回のブログでもありました、パライソ、天国を指していると思われます。

切支丹九面観音②

次に気になったのは釈迦如来の手の形。

切支丹13仏⑥


この手は釈迦如来の左手ですが、通常手のひらをこちらに見せる場合、親指は体の外側を向きます。しかしこの場合は親指が体の内側にあるのです。


よく見ないと分からないものですが、これはわざと描かれたのでしょう。つまり掛軸は仏教とは逆、キリストの教えであるというメッセージです。


また、背景が鮮やかな青色になっているのも珍しいです。これは十字架やパライソと同じ色にすることで、シンボルが目立たないようにしたのでしょう。


諸仏の光背は全て円になっています。これは理屈にあっていますが、どうにもシンプル過ぎる、単調に描かれているように思います。これは聖人の絵画を意識したのでしょう。

マリア
※画像はネットより

オーラというか、内から出る光を表現したと思われます。

以上を踏まえると、元々あった十三仏の掛軸を手直ししたのではなく、敢えて切支丹のイエスと12使徒を意識して描かれたと思います。


紅葉屋では12月25日まで開催しております。見学は無料です。

詳しくはこちらまで。



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もみじ

Author:もみじ
名古屋市西区で着物屋を営んでいます。
主に着物(仕事)を通じた独り言です。

お着物のことなら何でもご相談下さいませ。

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