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◆大津絵 鬼の袋帯

当店で販売した袋帯のご紹介。

袋帯はどちらかというとフォーマル用ですが、中にはくだけた柄もあります。

画像は大津絵の鬼をモチーフにした袋帯です。

大変ユーモラスな図柄です。

鬼が柱によじ登っています。

大津絵の袋帯③


大津絵とは滋賀県に今なお残る民芸画。


大津絵

近江国追分を発祥の地とするもので、寛永年間(1624- 1644年)のころに仏画として描かれ始めました。当初は信仰の一環として描かれたものでしたが、やがて世俗画へと転じ、加えて18世紀ごろより教訓的・風刺的な道歌を伴うようになりました。


江戸時代を通じ、東海道大津宿の名物となります。
 
 
文化・文政期(1804- 1829年)には「大津絵十種」と呼ばれる代表的画題が確定し、一方で護符としての効能も唱えられるようにになったそうです。


幕末に最盛期を迎えますが、現在では衰退します。この頃になるとその画題もだいたい決まり、中でも鬼の画像は代表的なものです。


その大津画の鬼をモチーフにし、さらにアレンジしたのがこの袋帯の面白い所。実はこの帯、物語が隠されています。


帯として全体を見た時に分かることと、帯を締めた時に分かることがあるのです。

大津絵の袋帯②

例えば帯を締めた時の「たれ」の部分には柊尾(ひいらぎ)を加えた鼠が梯子を上っています。

今にも柱を駆け上りそうですが、この鼠を恐れて鬼が柱を登っているのです。

節分の風習で、玄関先にイワシの頭や、柊を取り付けることがありますが、この柊のトゲトゲが、鬼は苦手なのです。

帯を締めるとこんな感じになります。


大津絵の袋帯①


実際の帯は端から端まで緑色の柱が長く織られていますが、帯を締めると一気に鼠との距離が近付くのです。

ここまでは締めることで分かる図像となりますが、実は締めると分からなくなりますが、この帯には隠れる部分にも遊び心が施されています。


実際に締めてしまうと見えなくなるのがこちらの画像。

大津絵の袋帯④


雲にもみえるこの黄色のモヤモヤ。当初は雲かと思っていましたが、実はこれ鬼のパンツです。

柊を咥えた鼠が来たので、慌てて柱を登った際に、パンツが脱げてしまったのです。


一番最初の画像を見てもらうと分かりますが、鬼のお尻が丸出しになっているかと思います。


どうしても面白い画なので、そちらにばかり目が行ってしまいますが、織り方も大変手の込んだ鱗織です。

蛇の鱗のようになっています。

鱗文様や柊、鬼も実はすべて厄除けの柄なのです。


紅葉屋ではこんな着物・帯が好きで、浴衣から振袖まで多数揃えております。


文化財復元小袖のご紹介でした。


※紅葉屋呉服店はこちらまで

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Tag:文化財復元小袖(当店の着物)  comment:0 

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もみじ

Author:もみじ
名古屋市西区で着物屋を営んでいます。
主に着物(仕事)を通じた独り言です。

お着物のことなら何でもご相談下さいませ。

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