◆伊万里に見る不思議  第三回

過去に2回古伊万里に描かれた不思議な玉について考察しましたが、今回は3回目という事で一つ結論を出したいと思います。


総括に入る前に、もしかすると謎の玉の4例目かも?というのが見つかりましたのでまずはそちらをご紹介します。


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菊の花の古伊万里で、蝶が飛んでいます。この図柄自体も私は初めて見ました。墨はじきと呼ばれる技法を使ったお皿です。中央の菊がその技法を用いています。手の込んだ古伊万里です。


そしてこの菊の左下にまたしても謎の玉がありました。

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普通に考えれば、菊の図柄であれば、描かなくても成立するものです。玉らしきものが三つ確認出来ます。白い丸は水面を表しているのかもしれません。水面ということはこちらも水の中に石があるという事です。
 

第二回で、あの丸石は御神体が宿る依り代では?としました。丸い石には神が宿るのです。
 
 
そして神は異界からやってくると考えられていました。そうであれば水の中に丸石があるのは理解出来ます。水、つまり川や海、池は異界を表すのです。玉は異界である水中にあるということです。


丸石自体が御神体に成り得る。それが昔の人の発想でした。


このブログを上げる少し前、たまたま借りてきたDVDにも興味深いものが映っていました。それは現在名古屋のCBCラジオで活躍されている北野誠さんの「おまえら行くな」という心霊スポット巡りの番組です。


番組では四国の崇徳天皇を祀る神社へ取材をしていましたが、この神社の境内にある小さな祠に、かなりの数の丸石が納められていたのです。何でも川の石だそうです。


元々自然石の丸石は御神体に成り得ます。そしてこの丸石はやがて墓石の元祖になっていったのではと思えます。土葬の場合、目印的に丸石を置くことがあるようなのです。

今日の墓石は四角柱の立派な御影石ですが、そもそも何故墓は石なのか?という事です。
 

今日では樹木葬というのが人気だそうですが、本来石でなければならない理由があったのでは?と思えます。元々丸い石が依り代的な意味があるのであれば、墓が石でなければならないのも理解できます。それは丸石には先祖神が帰ってくると考えたのではないのでしょうか?


不思議な丸石が描かれた古伊万里の皿の内、恵比寿と亀はどちらも目出たい物なので、正月の飾り目的で使われていたと思います。床に鏡餅などの正月飾りと一緒にあったのではと思えます。丸石の描かれた古伊万里の皿は屋敷にやってくる福の神や先祖神の依り代であり、おめでたい柄はもてなす為に、喜んでもらう為のものなのです。
 
 
3枚目の皿の菊には蝶も見て取れます。蝶には再生という意味があります。今日の菊には仏花というイメージが強いですが、江戸期にはお祝いの行事に菊を用いることもあったので、やはりこの菊と蝶の皿も正月用だったのではと思います。再生=身体健全とか病気回復という意味もあったのでしょう。


最初に玉を見つけた時は悩みましたが、おそらくこのような意味があったのでは?と今ではそう思います。大変珍しい古伊万里皿のご紹介でした。




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Author:もみじ
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