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◆着物の保管について 防虫剤の事故

今回は着物の保管について少しお話します。

大切な着物の保管となると、防虫剤を入れている人も多いと思う。実はこの防虫剤、気を付けないと着物に思わぬダメージを与えることがあるのをご存知だろうか?

具体的にどんなダメージがあるかと言うと、着物が変色したり、訪問着・色留袖・黒留袖に多いが、着物に施された金彩加工が剥がれたりするのだ。


防虫剤事故-crop


まず、一言に防虫剤と言っても実は成分的にいくつもの種類に分かれる。パラジクロールベンゼン、ナフタリン、樟脳、エムペントリンなどだ。

この中で、パラジクロールベンゼンが、金彩に使われた接着剤の成分と化学反応を起こすことがある。しかしこれもはっきり断言出来る訳でもない。濃度や金彩の量にも関係してくるからだ。

ただ、いろいろと調べたり過去の経験を照らし合わせてみると、どうも「防虫剤の併用」が最も怪しい。ご存知の通り、防虫剤は一度入れたら永久的に持つものでは無い。

1年ないし半年で交換すると思うが、この交換時が曲者で、前に入れたものと違うメーカーのもの(成分が違うもの)を入れたりすると事故が起きやすくなるようだ。
 

この防虫剤の併用による事故は何も着物だけではなく、プラスチック製のボタンが溶けたり、箪笥の奥に大事に保管してあったパールのネックレスなどの光沢が褪せてしまったりする。

パールの変色の話を聞いた時、防虫剤の事故だと思ったが聞けば一種類しか入れていないとのこと。しかし後で分かったことだが、保管に用いた箪笥自体に最初から防虫効果が施してあった。成分が違ったことで化学反応が起こったのだろう。


話を着物に戻すが、ウール製品と違い、正絹(しょうけん:絹100%のこと)の着物は実は殆ど虫は食べない。

着物になる絹糸は精練(せいれん:天然繊維の絹から不純物を取り省くこと)してあるので、虫からすればうま味が極端に減るからだ。
 
正絹の着物の場合は、防虫剤を入れるより、むしろ湿気の方に気をつけた方が良い。カビの原因になるからだ。定期的に箪笥の引き出しを開けたり、乾燥剤を入れた方のが良いと思う。
 

日本の場合、特に6月~9月までは湿気の多い時期になるので、この時期は意識して乾燥剤を入れたり、着物を保管してある部屋に除湿器を置くと良いと思います。
 
建物や地域によって部屋の湿度は違うと思うが、梅雨から真夏の時期に除湿器をかけると短時間でびっくりするくらい水が溜まります。





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Author:もみじ
名古屋市西区で着物屋を営んでいます。
主に着物(仕事)を通じた独り言です。

お着物のことなら何でもご相談下さいませ。

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