~主に着物に関する独り言~

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もみじ

Author:もみじ
名古屋市西区で着物屋を営んでいます。
主に着物(仕事)を通じた独り言です。

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◆古渡更紗名古屋帯

古渡更紗①

当店で昔、販売した名古屋帯です。


珍しい織物ですね。


古渡更紗⑤


絹ではありません。麻の織物で生平(きびら)と言います。漂白していない麻糸の織物で、手摘み、手紡糸で糸を作り、昔ながらの手織機で織った生地です。上の画像は色を掛けてある訳ではなく、麻糸の自然の色です。
 
 
その麻織物、生平に古渡更紗(こわたりさらさ)の唐草文を染めたものがこの名古屋帯です。


古渡更紗③


しめた時にお腹の辺りに出る部分です。


平成の一桁年代に恐らく作られた生平古渡更紗文様名古屋帯ですが、まるで何百年も経過したような古い雰囲気が漂っています。唐草の染料も、平成時代に染めたとは思えないような、古色仕上げです。


美しさの基準は人それぞれ違いますが、私はこの帯を見た時、何とも美しい帯だなと思いました。


過去ブログに更紗の小紋のことを紹介しました。


古渡更紗とは、主に17世紀~19世紀にかけて日本に伝来した更紗です。ヨーロッパの船と共に来た訳ですが、インドで染められた更紗です。


古渡更紗6


こちらが18世紀の縁文様インド更紗(熊谷大次郎氏蔵)の裂地。当時の日本には無かった配色であり、デザインだったので、大変貴重なものだったとのこと。


オリジナルの裂地を見ても、いかにこの名古屋帯が上手く染めているかが分かります。また生平という珍しい麻織物を選んで染めたというのも凄いなと思いました。
 
 
この生平自体が古代布のような風格がありますので、古渡更紗の文様を復元するにはもってこいだと思います。昔はこんな職人さんがいたんだなと驚きます。こういった帯は残念ながら現在は仕入れが出来ません。
 
 
麻織物なので夏向きの名古屋帯ですね。


当店ではこのような、古典的な染め、織の着物、帯も扱っております。


着物のことなら何なりとおっしゃって下さいませ。


紅葉屋呉服店はこちらまで


参考文献 

古渡更紗 大隈為三 著  美術出版社

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